大野村活性化計画/おおのキャンパスビレッジ(現:洋野町)

地域分析地域リノベーションエリアマネージメント建築橋/インフラ
       照明環境景観形成住民意識改善


2000年から2005年にかけて、地域住民、行政に対して、社会実験を通して総合的な運用計画であるエリアマネージメントを含め、インフラ、施設の実施、 特に大野地区では景観整備としての施設、インフラ(橋)、広場、街路灯整備を総合的に実現した。
JCDデザイン賞優秀賞2002 ディスプレイデザイン賞2002 メディア:NHK放映、新聞数社


大野村2000年までの歩み(概略)
・1977年 冬の出稼ぎ対策として大野民族家具組合設立

・1979年 秋丘芳夫教授(東北工業大学)により「一人一芸の村」として大野村計画提案

・1981年 大野村キャンパス81開催

・1987年 大野村工芸10周年記念展開催

・1991年 産業デザインセンター・若者センター・木工芸の里ふれあいセンターオープン

・1991年 (社)ふるさと公社設立、大野村ふるさと物産館オープン

・1994年 専業デザインセンターエリアが「道の駅」に指定される

・1995年 「グリーンヒルおおの」(休養施設)オープン

・1996年 産業デザインセンターを中心としたエリアの愛称「おおのキャンパス」に決定

・1996年 おおの温泉健康の湯オープン

・2000年 ゆうきセンター(農産物直売所)オープン、未来・創造2000年祭「24時間眠らない村」

 
おおのキャンパス[一人一芸の里]道の駅 おおの ゆうきセンター農産物直売所

(道の駅、食の館、産直所ゆうきセンター、グリーンヒルおおの、おおの健康の湯、パークゴルフ場、
産業デザインセンター、食堂ウッディハウス、木工房、木工体験室、さき織り工房、森の工房、
森のカブト虫館、どうぶつふれあい館、共同利用模範牧場、園芸工房、商工会館、若者センター、
みるく工房、ひろのまきば展望台)

 
2000年  大野村地域づくりワークショップキャンパスビレッジ構想
地域分析地域リノベーションエリアマネージメント
 
遠藤新中島直人

「おおの・キャンパス・ビレッジ構想Ⅱへ」
~ちいさな村の大きな挑戦~
東京大学・アーバンデザイナー、
おおの・むらづくり推進アドバイザー
北沢 猛
 
キーワード
1.信頼が地域活力の源:「おおのトラスト」
2.ちいさな力の結集:「大野ビレッジプラン」
3.日本の原風景を保つ:大野ライフ・スケープ
4.地域力を生かす:大野プロジェクト・マネージメント
5.大野の期待:ラスティナブル・コミュニティ
 
「一人一芸」のむらづくりから「キャンパス・ビレッジ」へ
~産・学・官の連携によって築きあげられていく「ひと・わざ・もの」~
 

 
集落が持つ「地域力」の掘り起し
手法01 マップづくり 地図づくりによる資源探し・発掘
手法02 要覧づくり リスト作成による資源の整理・再認識
 
めっちゃ
フィールドミュージアム
マップづくり 要覧づくり
 
こまちなみ 建物と「すきま」がつくる街並み
建築分布マップ 街並みファサード 土間・コミセ 大野の市
 
村に彩りを添える建物たち 暮らしと営みをつなぐ姿
01 蔵 宿場町の繁栄を偲ばせる陰影
02 町屋建築 こまちなみのエレメント
03 看板建築 大野村に残る商業の香り
04 牛舎とサイロ 開拓発展のシンボル
01蔵 01蔵 蔵マップ 02町屋建築 03看板建築
04牛舎とサイロ 04牛舎とサイロ   
パターン
04牛舎とサイロ   
マップ
 
05 茅葺き民家 縄文発→南部文化経由→大野行
縄文の香りを伝えるマンモス群

 
「くね」(芝棟) 曲屋(まがりや)と
直屋(すごや)
茅葺き民家の分布 >曲屋
「こみっちゃあかもど」
曲屋
「こみっちゃあかもど」
 
伝統芸能
ニャラドラヤ、駒踊り、大渡えんぶり、阿子木神楽、大黒舞、三番兜

 
まだまだあるぞ
わらこずみ、はせぐい、火の見櫓、ラクーター、木細工、ゴミステーション




2001年~
おおの・キャンパス・ビレッジ 概略
地域リノベーションエリアマネージメント建築橋/インフラ照明環境景観形成
       住民意識改善

 
遠藤新中島直人角舘まさひで
 

ユーキの里の連携による「地域力」づくり構想
 

大野村 地域づくり
全体構想と地域づくり計画

 
「キャンパス・ビレッジ」とは何か?
「キャンパス・ビレッジ」発展の四段階
段階01
初期段階
段階02
サテライト・キャンパス
の育成
段階03
キャンパス・ビレッジ
の成立
段階04
キャンパス・ビレッジ
の発展
 
サテライト・キャンパス・プラン と 地域づくり計画

 
サテライト・キャンパス・プラン
地域づくり計画
・もとむら再生計画(大野地域)
・向田地域づくりの提案(向田地域)
・林郷スクール構想(林郷地域)
・帯島芸術ファーム構想(帯島地域)
・みっちゃあミュージアム構想(水沢地域)
 

 
地域-行政-大学の協働地域づくり
計画-実験-実践のダイナミックな融合
 

 
地域づくりにおける3 つの考え方
各地域においては、以下の3つの考え方を中心として、おおのキャンパス周辺集落の地域づくりを推進する。
(1)各集落が連携して村全体の活性化を進める
・デザインセンターの観光客を村全体で受け入れる。
・各集落をおおのキャンパスの「サテライトキャンパス」として整備する。
(2)魅力ある住空間をつくる
・定住のための安全なコミュニティと賑わいの場づくり。
・歩いて暮らせるまちづくり。
(3)風景の保全を進める
・豊かな自然風景の保全
・集落景観の保全
・中心部の町並み整備

 
地域づくり推進のための「アクション・プラン」
地域づくりを誘導するアクションプラン
■目に見えるキッカケづくり
■ボトムアップの地域力づくり
 

キャンパス・ビレッジ構想 01 イベント実験・実践
夢市・収穫祭・きてけろ祭
イベントによる地域づくり実験と活動実践
・イベントを契機とした地域づくり実験
・地域中心の活性化へ


 
権谷収穫祭
林郷地域(2004)
2003 年度に建替えられた林郷地域の権谷地区センターであったが、地域では、これを受けて、有効に利用したいという話が持ち上がった。むらづくり助成金の一部を利用し、権谷地区を中心として2004 年10 月には、収穫祭が開催された。

 
看板づくり・えんがわカフェ(みずさわ縄文きてけろ祭)
水沢地域(2004・2005)
・プロジェクトJ による看板づくり
このお祭りは、10 月に行われたが、まさに地域づくりの話し合いをしている最中であったため、「地域のよさを知らせる媒体が欲しい」という議論から、地域づくりの中で結成された地元中高生チーム「プロジェクトJ」によって、手づくりの看板づくりが行われた。手づくりでぬくもりのあるその看板は、お祭りに色を添えただけでなく、その後の計画にも、ぬくもりのある看板づくりとして反映された。
・曲家開放実験「えんがわカフェ」
今年度から操業しているパン加工施設「おおのパン工房」も協力して、昨年度の地域づくり計画・提案や茅葺き要覧の展示及び、休憩の出来る「えんがわカフェ」を開催した。雨の降りしきる中、地域の中高生がお店を切り盛りし、文字通り、魅力的な縁側で一息つく人々や、囲炉裏を囲んでの発表等、大盛況であった。

 
夢市
おおの地域(2001-2004)
2001 年から2004 年にかけて、もとむらの中心部で行われたイベント「夢市」は、様々な場所・場面での実験的活動を通じて、二つの視点からサテライトキャンパス構想を実現するための実験イベントである。第一の視点は、新たな「大野体験」となる「活動」を実験的につくること。
第二の視点は、もとむら再生の空間整備を計画すること。角館光環境計画事務所+日本大学関口研究室の手を借りて行った「夢灯り」プロジェクトは、もとむらの街路灯整備に先だって、安心・安全の考え方から光環境を議論し、適切な場所、適切な高さ、適切な明るさ等を実験によって検証し、実際の街路灯整備の内容を決定した。「のれん」の設置は、街並みの連続性が生まれるともとむらがどのように変わるのか確かめるための実験であった。西大野のイベント会場は、蔵の前の広場整備として整備された。

このお祭りは、10 月に行われたが、まさに地域づくりの話し合いをしている最中であったため、「地域のよさを知らせる媒体が欲しい」という議論から、地域づくりの中で結成された地元中高生チーム「プロジェクトJ」によって、手づくりの看板づくりが行われた。手づくりでぬくもりのあるその看板は、お祭りに色を添えただけでなく、その後の計画にも、ぬくもりのある看板づくりとして反映された。
 

01 晴山家旧酒造の活用
賑わい再生の拠点として位置付けている西大野地区内にある旧酒蔵の再活用の可能性を探ること等を目的に、01 ~03 年の3 年間に亘り、集客施設として、映画館やコンサートホールとしての活用を試み、実際に多くの人々が訪れた。

02 おおのマーケット
旧酒蔵への入り口に位置するこの場所に、車を気にせずゆっくりできる場の創出を目指し、既に廃屋となっていた建物を撤去し、広場空間の創出を図った。夢市では、02・03 年には、仮設マーケットによる賑わいを提供し、その隣に、無料で利用できるテーブルやベンチを提供し、まちなかに休める場の提供を試みた。04 年には、コンサートを催し、イベントの場としての活用も試みている。

03 まちなかスクール
もとむらの表通りに並ぶ空き店舗の土間空間と裏手にある旧酒蔵を活用して、大野村の歴史や工芸などの「おおのらしさ」を再発見することを目的とする、展示・講演会(大野の歴史教室、裂き織り教室、郷土料理教室、まちづくりワークショップ)を行った。歴史のある建物の内部を珍しがる来客が多く、建物そのものも、おおのらしさを想起させる一因としてなった。



04 夢灯り―2001、2002と地域を分けて実施
-大野村にしかない人の暖かみを感じるあかり-
大野村での街路灯整備に向けての照明社会実験を行った。民間の敷地に照明は設置し、街路の暗闇を無くす、安心感を得られる新たな照明手法であり、歩行性能など照明性能計画の先駆けである。
この照明計画を実施する上で、地域住民の総意が必要であり、まちづくりに参加するという意識を持ってもらい、同時に地域の固有の空間資源を生かす演出という点で新鮮さをおもって皆さんに受け入れられた。

・照明社会実験風景
現状の風景 現状夜の風景 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」
「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」
「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」 「夢あかり」
・照明環境整備実施風景
照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備
照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備 照明環境整備
照明環境整備:アイテム 照明環境整備:アイテム 照明環境整備:アイテム 照明環境整備:アイテム 照明環境整備:1期工事部 照明環境整備:概念 照明環境整備:第二段階
関連HP ぼんぼり光環境計画:岩手県大野村街並み形成計画(2001-2003/岩手県)

05 表通りの演出
町家の連なる街路を一体感のある街並みとして演出する仕掛けとして、表通り沿いの54 軒が合計60 枚の暖簾(日除け暖簾39 枚と二連暖簾21 枚)を設置した。もてなしの表情が通りににじみ出て好評を得た。


06 まちなかサロン
まちなかスクールと合わせて、土間空間を休憩スペースにしたり、お茶を出してくれる家も現れた。街を訪れた人が気軽に入れる土間空間は、宿場町として発展したもとむららしさを再現しているようであった。



キャンパス・ビレッジ構想 02 こまちなみづくり
「こまちなみ」づくり
小さな街並み整備の積み重ねによる地域の個性づくり
・二段階のこまちなみづくり
第一段階では、集落内の要所で施設整備を行い、街並みのイメージを補強する。第二段階では、各家が「こまちなみ」のルールを守って修景等を進める。


 
施設整備によるイメージ実践(第一段階)
もとむらの地域づくり計画にて提案されたこまちなみによる個性づくりを、実際の空間における整備に結びつけるために、いくつかの戦略を立てた。一つは、実際に行政によって計画されている事業の中に、これらのこまちなみの先導となるような修景・意匠・計画を埋め込むことによって、こまちなみづくりのキッカケとすること、もう一つは、夢市などのイベントを通して、こまちなみづくりの「実験」を行い、この効果を地域にも実証していただき、その成果をもとに整備を実践していくことである。
コミュニティ消防センター
大野村プロジェクト開始後の最初の整備事業であり、1Fが消防車を収納する車庫、2Fがコミュニティ・ルームという構成の建物である。事前に行われていたもとむら地区の街づくりを考えるワークショップでは、街並みと調和するデザインが同施設に求められた。

明寿橋の修景
欄干の改修が予定されていた明寿橋は、おおのキャンパスからもとむら中心部への入り口部分に位置している。改修に際して、もとむらの街並みとデザインの調和をはかるため、外観全体を木で統一し、欄干には木格子をとりつけた。新しい明寿橋のデザインは、上流を眺めたときに見える「山並み・木の橋・大野川」の風景を強化している。


街路灯整備
整備前の街路灯風景 照明社会実験 照明社会実験 整備後の風景 整備後の風景 整備後の風景 整備後の風景
 
西大野広場
2002 年「大野村夢市」にあわせて建物撤去・整地した西大野の空地は、市日の利用も想定されることから恒久的なイベント空間として整備した。広場そのものにはほとんど手を加えないが、晴山宅の蔵、庭を借景として、表情のある広場デザインとした。


 
住民の参加するこまちなみづくり(第二段階)
第一段階の施設整備の成果を踏まえて、将来のもとむらの風景づくりの目標となる「こまちなみのガイドライン」を策定した。基本方針は二つある。第一に、歴史資源と自然環境を生かすこと。表通りから一歩奥に入れば田園や自然を楽しめることが元村の風景の特徴である。残存する町家・蔵・茅葺き民家は少ないながらも元村全体に分布する歴史資産として風景とも調和している。これらを生かす。第二に、メリハリのある街並みをつくること。表通りは、建物の整備修繕と自然要素(植栽・水路等)を協調し、空き地(スキマ)は裏手の自然を垣間見せる場所として、手入れしつつ空間を確保する。

現状
現在のもとむらの町並みは、「町家建築」と「看板建築」という2種類の建築様式とその「隙間」からを形成されています。

修景後
バラバラに建物の更新をするのではなく、緩やかなガイドラインに沿って修理や建て替えを行うことにより、少しずつ家並みを揃えていきます。また、隙間も建物の意匠に合わせた柵の設置により魅力的な空間とします。



キャンパス・ビレッジ構想 03 加工施
地域資源ビジネスと地域サテライト
農産物加工施設によるサテライト(拠点)づくり
・地域資源ビジネス
・地域づくりサテライト

 
地域づくりサテライトの運営主体
これらの地域づくりサテライトは、基盤を農業生産の振興としていることもあり、事業主体は大野村で整備を進めた。管理運営については、各地域ごとに、地域の農家主婦層を主体として組織する任意組合に管理運営を委託しており、各組合とも8~20名程度のメンバーで、生産加工から販売に至るまでの業務及び管理運営を行っている。
 
地域づくりサテライトに付与された機能
1)地域の地場産品を中心としたブランドづくりの拠点
2)農産物の生産・加工・研究開発による高付加価値型生産の実現
3)地場産品の使用による地域農業の活性化と作付面積の増加
4)販売・展示機能の付加による生産性および雇用の創出
5)販売・試食・飲食機能の付加による、地域観光拠点(サテライト)の挿入
6)主婦層・余剰労働力及び地域団体を中心とした簡易就労・活動による地域コミュニティの形成・拡大
7)交流機能・イベント機能の付加による地域コミュニティ活性化の核の創出

段階的整備を視野に入れたプランづくり
いずれの地域づくりサテライトにおいても、第一期・第二期といった形の段階的な整備を前提とした計画としており、施設の利用状況・経営・規模の進展を見ながら、状況に応じて拡張していく、柔軟なプロセス・プランを展開している。また、各地域の地域づくり計画の中でも、このサテライト(加工施設)は重要な位置づけを占めており、地域の計画に合わせて、長期的な視野による第二期計画を含めた、地域全体にも寄与するサテライトのあり方が提案されている。
 
地域サテライト一覧  
豆風鈴(まめふうりん) 大豆加工施設(向田地域)
向田地区の農産物加工施設(愛称「豆風鈴」)は、豆腐の手作りと産直販売の機能を有している施設であり、サテライト・キャンパス・構想に基づき整備された最初の加工施設である。
 
雑穀黄金(ざっこくこがね) そば加工施設(林郷地域)
林郷地域は、村の北東部に位置する8つの集落から構成される人口800 人弱の小さなエリアである。ソバづくりを想定した農産物加工施設(愛称「雑穀黄金」)は、小学校、保育所、児童館、林郷農村センターなど主要な公共施設の集まる、地域の中心となる場所に整備された。林郷には、よりよい家庭づくりの知識と技術を習得し、実生活のなかで役立てていくとともに、住みよい村づくりに寄与することを目的とするりんごう生活改善グループといった地元組織が活動しており、こうしたグループの一つの活動拠点として雑穀黄金は整備された。
 
味菜館(あじさいかん) 漬物加工施設(帯島地域)
帯島地域の農産物加工施設は、国道から少し奥に入った、ニツ屋地区にある牛乳コールドセンター跡地に建てられた。
周辺集落でとれる豊富な野菜と、各農家で工夫しながらつくられてきたそれぞれの漬物およびその技術を発展させる形での生産と商品開発を「資源」にした漬物の加工施設としての役割を持つこの建物は、帯島地域の「サテライト」としての役割も担うべく計画された。 

 
おおのパン工房 パン加工施設(水沢地域)
大野村の中でも、沢の奥にある静かで自然豊かな水沢地域での工房は、小麦及び雑穀を材料としてできる雑穀パンを加工生産する施設として計画された。岩手大学農学部西沢直行教授のご指導の下、材料から製造まで本格的な雑穀パンづくりを中心とする工房となった。施設は新たには設けず、統合によって使われなくなった旧水沢小学校の木造校舎部分を工房とし、倉庫を改修して売場とすることで、施設の再生を行っている点も興味深い。内部も、工房は、旧理科室を利用し、理科室の机を再利用するなど、小学校の記憶をとどめながら、高度なパン加工に耐えうる利便性をも両立する。

キャンパス・ビレッジ構想 04 地区施設
地域資源ビジネスと地域サテライト
地区施設による拠点づくり
・開かれた地域のセンターを目指して
・「地域づくり」のキッカケづくり

 
向田児童館 曲家プランでおおのの風土をいかす
向田児童館の計画は、それを作ることによって地域住民がどのような楽しみの場を得られるのか、という地域住民の議論からデザイン作業が始まった。2002年6 月3 日に行われた地域住民とのワークショップを通じて多数の楽しみ方がイメージされた。図書スペースを設けて新刊本や雑誌を地域住民が持ち寄る。お茶を飲みながら本・雑誌・パソコンなどを楽しむ。農作業の合間のお茶・休憩を楽しむ。子供・お母さん・お年寄りがお茶をしながら団らん。ゲートボールの休みを楽しむ。三本木木工での買い物のあとに立ち寄ってお茶を楽しむ。登山・ハイキング・釣りのあとに立ち寄ってお茶を楽しむ。豆腐のあとのお茶を楽しむ。若いお母さんのたまり場。しゃれた雰囲気のある場所。建物となりにはハーブ・ミント・ラベンダーの畑をつくる。等々。
 
権谷地区センター 集落地区単位の活動「サブ拠点」づくり
権谷地区は、高家川の流れる谷間、林郷地域の奥に位置する一集落である。東西4 km以上に渡る細長い林郷地域は、みちを中心にして200 戸ほどが散在して建ち並ぶ、尾根と尾根に囲まれた水田を中心とした農村集落である。距離抵抗のため都市部にも増して一人当たりの公共施設は多く整備されねばならないが、それ以上に活発に利用されており、権谷地区センターも活気ある地区センターの一つとして同じ敷地に建て替えられた。
新しくなったこの地区センターは、集落の動脈である「みち」からみえる位置に配置され、地区のランドマークとなるように計画された。

 
林郷児童館 開かれた自由な施設として
林郷集落の中心部には、地域内唯一の小学校である林郷小学校があり、これに近接して児童館があった。しかし、同児童館は激しい老朽化が進んでいた上、坂道の上にあったため、アクセスが悪かったことから、同位置での建替え、改修も含めた地域との地域づくりの議論を繰り返し、最終的に、山側から下りた新たな土地に児童館を新設することとなった。
地域づくり計画では、地区の中心である農村センター、サテライト施設である雑穀黄金(そば加工施設)の集積する場所に、児童館も加えることで、地域の新たな拠点づくりを目指した。


キャンパス・ビレッジ構想 05 住民主体のちいきづくりと支援
オラドゥのむらづくり、住民主体の地域づくりと支援の仕組み
住民主体の地域づくりと支援の仕組み
地域づくり助成金制度地域づくり計画を策定した後、これを実現するためには、資金の調達も必要となる。しかし、収益を得るほどの事業を行う訳でもない地域活動では、その資金源が初動期の活動のネックともなる。
そこで、大野村では、このような地域活動を積極的に行う団体に対して、助成金を補助する制度を導入している。平成8年度から平成12年度まで「オラドウのむらづくり事業」と称して、地域が創意工夫を凝らし、自主的・主体的にむらづくりに取り組む事業を支援するため、1行政区に対して、30万円を限度として補助する事業が導入され、コミュニティビデオ放送施設整備、伝統芸能振興などを中心に利用された。

 
プロジェクトJ
プロジェクトJ とは、水沢地域で結成された、地域活動を行うための中高生活動組織である。2004 年度の水沢地域計画づくりの際のイベント「おもひでぽろぽろ」に参加した中高生を中心として、「自分たちも参加、提案できる組織を」ということで、自主的に結成された。


サテライト・キャンパス 各地域とちいきづくり計画


大野地域
宿場町から受け継ぐ、大野村の中心
照明社会実験 大野地域風景 「こまちなみ」 大野村の中心市街地「再生」にむけての賑わいづくり 戦略01:おおのミュージアムづくり 重点スポットの整備
戦略02:「みち」から始める環境整備 「こみち」づくり-うらの環境整備- 「夢市」から「にぎわいづくり」 「夢あかり」照明社会実験 「夢あかり」照明社会実験風景 照明環境整備 照明環境整備
■大野地域づくりの実践
 
向田地域
久慈平岳のふもとに広がる玄関口
向田地域づくりの提案 テーマ01:豆風鈴を軸とした地域づくりを行う-2期整備 テーマ01:豆風鈴を軸とした地域づくりを行う-豆畑づくり テーマ02:地域の活動の中心をつくる-集い テーマ02:地域の活動の中心をつくる-木工所 テーマ03:手づくりの環境整備を行う-環境整備 テーマ03:手づくりの環境整備を行う-散歩
■向田地域づくりの実践
 
林郷地域
ゆるやかな丘に抱かれた線形集落
林郷地域風景 林郷地域風景 「みち」 林郷スクール構成 「農の賑わい拠点づくり」
「農の賑わい拠点づくり」関係図 1「農の賑わい拠点づくり」 1「農の賑わい拠点づくり」 2「楽しめる風景づくり」 3「ご近所の街道つくり」 4「人材を生かす仕組みづくり」 4「人材を生かす仕組みづくり」
■林郷地域づくりの実践
 
帯島地域
サイロの並ぶ「楽農」と「芸農」の里
帯島地域風景 帯島地域風景 「かど」 帯島芸術フォーラム構想 帯島芸術フォーラム構想アクションプラン 芸能フォーラム1 芸能フォーラム2
芸能フォーラム3 風景フォーラム1 風景フォーラム2 風景フォーラム3 「芸農」生活支援プロジェクト1 「芸農」生活支援プロジェクト2 「芸農」生活支援プロジェクト3
■帯島地域づくりの実践
 
水沢地域(大野ダム)
田舎の風景を残す密境 みっちゃあ
水沢地域風景 水沢地域風景 「さわ」 みっちゃあミュージアム構想 みっちゃあミュージアム構想 01かやぶきコテージ村プロジェクト 01かやぶきコテージ村プロジェクト
01かやぶきコテージ村プロジェクト 02地区センター活用プラン 03ダム周辺整備計画 04風景づくり絵手帖 05看板づくり 06みっちゃあリード
■みっちゃあ地域づくりの実践
 

2006年 
種市町と合併し、洋野町となる。

「キャンパス・ビレッジ」の未来(ミライ)
   発展01 サテライト・キャンパス=周辺大学との連携サマースクール
   発展02 大野サテライトミュージアム/地域資料館
   発展03 大野芸能サテライト/大野村文化祭の発展
   発展04 グリーンヒル・サテライト
   発展05 地域風景個性化事業/個性ある風景の再生
                    蔵の再利用、木工・櫓の利用、ポンプ小屋の利活用、サイロ・牛舎の保善再生、曲屋・茅葺き屋根の保全再生



地域づくりメッセージ
高橋一夫氏(元大野村助役、元岩手県北上地王復興局、現:岩手県西和賀町副町長)
 
   東京大学の北沢教授をはじめ、遠藤教授(現:工学院大学)、中島准教授(現:東京大学)、大学院生、学部生の皆さんは、大変お世話になりました。
   1999年10月頃だったと思います。二戸市に来られていた北沢先生を急襲するようにお会いし、大野村まで来ていただき、村を案内して、中心商店街の魅力を創出するため、にぎわい空間の形成の取り組みについて、相談させていただきました。
   先生は、現状を見て、大野村の魅力に心動かされたのだろうと思います。最初にアドバイスいただいたいのが、役場近くの「消防屯所」でした。そして、街路灯の設置明寿橋の木製化も。
   また、デザインセンターを中心に村全体にキャンパスを拡げようとする「おおの・キャンパスビレッジ構想」は、「ユーキの里づくり」を目指す佐々木村長のむらづくりへの取り組みと特色ある施設整備が見事にマッチングして、すばらしい成果を着実に上げているものと確信しています。

※主な写真文章引用参照:おおの・キャンパス・ビレッジ-大野村・地域づくりの軌跡と展望―平成17年12月
発行 おおの・むらづくり21推進会議、企画・編集 東京大学工学部都市工学科都市デザイン研究室
・参加者 約300名 東京大学工学部都市工学科都市デザイン研究室、日本大学理工学部建築学科関口研究室、
   ぼんぼり光環境計画、他




・主な関連論文
日本建築学会学術講演梗概集 角舘まさひで 川島勇 下坪武史 永井俊介 本村洋 野中太郎 小林憲冶 関口克 D-1,387-388,2003-07
「周辺部の空間を考慮した夜間街路の光環境に関する研究-岩手県大野村まちづくり整備」
日本建築学会学術講演梗概集 野中太郎 北沢猛 遠藤新 関口克明 角舘まさひで 鈴木清久 小林憲治 川島勇 F-1,37-38,2002-06
「岩手県大野村の中心地区まちづくりにおける光環境整備の実践」
日本建築学会学術講演梗概集 中村元 北沢猛 遠藤新 角舘まさひで 池田聖子 義平真心 田中暁子 平井朝子 F-1,35-36,2002-06
「岩手県大野村中心地区におけるまちづくりの実践その6住民参加によるまちづくりの実験-大野夢市」
日本建築学会学術講演梗概集 田中暁子 北沢猛 遠藤新 角舘まさひで 池田聖子 義平真心 中村元 平井朝子 F-1,33-34,2002-06
「岩手県大野村中心地区におけるまちづくりの実践その5道の風景の調査・分析」
日本建築学会学術講演梗概集 遠藤新 北沢猛 角舘まさひで 田中暁子 池田聖子 義平真心 中村元 平井朝子 F-1,31-32,2002-06
「岩手県大野村中心地区におけるまちづくりの実践その4まちづくり初動期における施設整備の進め方について」
照明学会講演論文集 角舘まさひで 鈴木清久 関口克明 小林憲治 川島勇 野中太郎 堀江正浩 村井聡子 35,151-152,2002-08
「岩手県大野村まちづくりにおける光環境整備」
照明学会講演論文集 川島勇 関口克明 小林憲治 野中太郎 堀江正浩 村井聡子 角舘まさひで 鈴木清久 35,142-143,2002-08
「街路照明における空間認知に関する基礎的検討」

大黒屋前での集合写真 大野村夢市2002 大野村夢市2002 地区説明会 WS作業風景 照明計画現場検証 主な関係者一同

遠藤新中島直人角舘まさひで



地域分析地域リノベーションエリアマネージメント建築橋/インフラ
       照明環境景観形成住民意識改善

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